介護保険制度がスタートして全国の施設がケアプランに取り組むようになりました。保険給付を得るために必要な手続としても認識されています。しかし、現場にリンクした本音のケアプランにはなっていない施設もたくさんありそうです。そう言うことがわかってきたのです。
岡田耕一郎・岡田浩子両氏の共著「介護とマネジメント(入門編) - 施設ケアプランから始めよう」(環境新聞社)の中でも、施設関係者にインタビューした実態が出てきます。立案者の立場では、立案にかかる時間や手間の問題。利用者の身体状況の変化に対応したケアプランの見直しができないこと。そもそも、現状のケアプランは内容が薄く、本当に必要な介護が書かれていない・・・などなど。
ケアプランを実施するスタッフの立場では、ケアプラン実施の工数が足りない問題やスタッフへの計画周知などの問題が出てきます。大事な部分をそのまま引用させていただきます。
「① ケアプランを実施するためには、一定数の人手が必要であるが、日によって職員の人数は増減する。職員は突発的に病気などで休むことがある。利用者の体調不良のため、その対応に追われることも多い。人手が足りなければ、ケアプランの実施項目が全く行われなかったり、行われたとしてもうまく行われないことも多い」、
「② ケアプランの実施項目は、日々、誰かがやらなければならないが、具体的に誰がやるのか、職員への周知が的確に行われていない。介護に関わる情報が職員全体にうまく伝達できておらず、介護が行われていない日もある」(同書p14より引用)など。
解決すべき重要な問題が山のように出てきます。極めつけは、「⑤とりあえずプランは立てているが、その内容は非常に薄っぺらいもので、(中略)監査対象の意味だけのものであるため、恥ずかしくて同業者に見せられない」(同書p15より引用)ということでした。
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