「介護スタッフにとってのよし」の続きです。
・ 散歩などご入居者から聞いた要望の一つでも出来るようにする。
・ あるいは、サービスを向上させるための研究活動やQCサークル活動の時間を取れるようにする。
と言うことを、現状の人員で実現する方法が見つかれば、「経営者にとってよし」の「お互いによし」が成立します。どのようにすれば良いのでしょうか?
私たちは、「スキマ時間」に着目しています。1日がどんなに忙しくともサービス需要は時間によって変動します。実際には必ず「スキマ時間」があるはずです。「スキマ時間」はふっと湧いたように出来るのではありませんか?
それを前もってわかっていたら、その時間を使って価値のあることができそうです。しかし、突然、湧いて来た時間に、何の段取りもしてなければ、せっかくの「スキマ時間」を活かすことはできませんね。そのような体験は誰もが持っていると思います。
「スキマ時間」を使って成果をあげる・・・数年前のことです。ダイバーシティマネジメント(多様性を認め多様な働き方を尊重したマネジメントのこと)で注目されたある企業を訪問し、女性社員のお話を伺う機会がありました。彼女は、産休・育休の間に、家事・子育ての間のスキマ時間を使って英語を勉強し、TOEICの最高点をたたきだしました。職場復帰の時には、かねてから希望の海外関連部署への異動も果すことができました。
彼女の勝因はどこにあったのでしょうか?
彼女は、
・ 自身の「こうしたい」「こうありたい」を目標として明確に掲げる。
・ 赤ちゃんの一日の生活リズムを観察し、自分がどのスキマ時間を使えるか現状把握する。
・ 目標達成までの課題を達成手段として分解し、スキマ時間に完結する仕事の固まりにする(いわゆる段取り)
ということをしました。
これは会社から与えられたマネジメント研修で身につけたことだそうです。それを自分自身のマネジメントに応用した訳です。以上に、あげた解決のプロセスの一つが欠けても目標は達成できなかったと思われます。
しかし、介護施設の現場で苦労している皆さんに、こうお話をすると「それは素晴らしい!しかし、自分のことならともかく、私の職場で応用するのは無理かなあ」と言う反応が帰って来ます。よくわかります。
それでは、何故、できないのでしょうか?おそらく、個人が自己完結できる課題か、個人だけでは完結しない組織の仕組みや問題があるか、という違いではないかと思います。いかがでしょうか?
つまり、組織におけるタイムマネジメントの問題について、メスを入れないといけないのだと思います。続きは、また書きます。